5月の連休には
あちこちで田植えが始まり
気が付くと 近所の景色が
広々とした田園風景に変わっていた
この町の小学生は
5年生になると田植え体験をするらしい
田植えはやったことがないから
おもしろそうだな…と思っていたら
新しい村で田植え体験ができるというので
参加してみることにした
少し早めに家を出て付近を散歩した
田植えをするほっつけ田は
新しい村 森の市場の裏手にある
入り口の看板によると
江戸時代に沼を開拓して作った
水田のことらしい
徳川吉宗の時代 およそ300年前のことか…
沼底を掘り上げて作ったから
〝掘上田(ほりあげた)″
それが〝ほっつけ田″
通称〝ほっつけ″と言われるようになったようだ
ほっつけは隣接する山崎山も含めて
〝里山″(さとやま)と呼ばれる
里山は人々が切り開いたり
木を植え替えたりして
生活を支えるために利用してきた場所だ
水田やため池、草地、落葉広葉樹林など
さまざまな環境が生まれたため
それぞれの場所を好む生き物や植物が
たくさん生息できるようになった
手つかずの自然ではないのに
自然が豊かになったというのが
里山の素晴らしさだという
ここにもいろいろな生き物がいる
木々の間から
小鳥のさえずりが聞こえ
水路を流れる水を覗くと
小さな魚が泳いでいる
季節ごとに
めずらしい草花も見られる
水と緑の豊かな自然は
今も 大切に守られている
そういえば
「ここがあるから引っ越してきた」
という人にも会ったことがある
時間になったので集合場所へ来た
今日指導してくれるのは
自然保護活動をしている
地元NPO法人 宮代水と緑のネットワークの皆さん
貴重な自然環境を守り
次の世代へつなげていくために
いろいろな体験活動をしているそうだ
もう少ししたら
ホタルを放流するイベントが
あることも聞いた
そしてみんなで記念写真を撮ってから
いよいよ田植えが始まった
一列に並んで後ろ向きで田んぼに入る
あちこちから歓声が聞こえる
田んぼに入るのを嫌がっていた子も
「もうやるしかない!」という感じだ
小分けにされた苗を持って
目の前に張られた紐の目印に沿って植えていく
全員が植えたら目印を移動する
そして一歩下がって
また植えるというのを繰り返す
場所によっては深いところもある
足を取られて転んでも
泥にまみれて楽しそう
泥の中は温かいという
娘とのはじめての田植えは
あぜ道からの見学で終わった
小さな苗は
小さな娘のように思えた
お米が実るころには
今できなかったことが
出来るようになっているのかな
稲の成長が娘の成長と重なって
楽しみになった
いつかまた一緒に田植えに来てみよう
その時は今日のように
青い空も
吹き抜ける風も
変わらずここにあるだろう
自然を愛する人たちに守られて
自分も この子も
そうなって行けるように
いつまでもここを
心のふるさととして
今回撮影にご協力いただいた千島さんファミリー。宮代在住4年目。ご主人は千葉県野田市出身、奥さんは埼玉県久喜市出身で、お二人のご実家の中間地点である宮代町に移住したそうです。お二人とも近隣の市町へお勤めで、休日は家でのんびり過ごしたり近所を散歩することが多いとか。娘さんは近所の川に泳いでいる鯉を見るのが好きだそうです。「宮代町は自然が豊かで子育てにはとてもいい環境だと思います。ほっつけにははじめて来ましたがとてもいい場所ですね。」とご主人。これからもお気に入りの場所が増えて行くといいですね。 ※今回の記事は、移住された方々からのインタビューを取りまとめ、編集したものです。 |
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