春が来たから桜が咲く
日本には四季があるのだから
これはしごく当然の事
でも「桜」は
他の花とは少し違う
もっと特別なものだと思う
青い空を見ていると
厳しかった冬は
もう遠い昔の事のように思えた
硬くなっていた心と体が解き放たれ
桜の下で繰り返された
せつない別れを思い出す
仲良しの同級生や
ちょっと気になっていた異性との別れ
濡れた瞳で見上げた桜は
昔も今も変わらない
暖かい春の日差しに誘われて
役場で手に入れたガイドマップを片手に
中須用水(なかすようすい)に沿って歩く
ここは 水と緑のふれあいロードと呼ばれる
5キロほど続くこの道は
田園風景に囲まれながら
サイクリングやジョギングを楽しめる
中須用水(なかすようすい)は
やがて姫宮落川(ひめみやおとしがわ)に合流し
古利根川(ふるとねがわ)に注ぐ
用水(ようすい)というのは上流から引き込むための水路で
落し(おとし)というのは
排水用の河川で、目的が違うそうだ
姫宮落川(ひめみやおとしがわ)は
江戸時代の初期に笠原沼周辺の開発に伴って
溜池の落しとして掘られたらしく
姫宮落堀川(ひめみやおとしほりかわ)ともいう
土手に沿って続く桜並木は
まるで花のトンネルのようで
映画の撮影にも使われたことがあるらしい
桜は戦後、青年団によって植えられた
青年団は 戦後の荒廃した中で
「新生日本の再建は青年の手で始めなければ」
という熱い思いを胸に
まちづくりの一端を担ったという
若者の手によって植えられた桜は
未来への希望と
失われた命への鎮魂の祈りが込められていたことだろう
満開の花に包まれながら
町の東境を流れる古利根川(ふるとねがわ)に沿って歩く
ふと見ると 桜の木の下に
かわいいワンピースを着て
大きなランドセルを背負った女の子が立っていた
「こっち向いてー!」
「笑って 笑って!」
楽しそうにポーズを促すお母さんと
必死にシャッターを押すお父さん
それはまるで夢のように幸せな光景だった
楽し気な子ども達の声を聞きながら
土手に腰を下ろした
〝美しい春が何事もなく巡って来ますように″
平和を願うこの桜が
ふる里の景色として
いつまでも残りますように
やさしく咲く桜の下で
そう願わずにはいられなかった
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