菊地純平 会社員 埼玉県出身
菊地沙耶 1級建築士 東京都出身
菊地風太 東京都出身
2022年移住
共に建築関係のお仕事をされている菊地さんご夫婦。新たな住まいを探していた時にパッと思いついたのが宮代町でした。子育てしやすい環境、都内へのアクセス、町の雰囲気などがマッチしたそうです。町内で行われているイベントや”みやしろまち写真コンテスト”などにも積極的に参加され、宮代での暮らしを楽しんでいる菊地さんファミリーにお話を伺いました。
大好きな象設計集団の建築が生活圏内に
純平さん
初めて宮代に来たのは大学生の時です。小学校の設計課題で当時の教頭先生に笠原小学校を案内してもらいました。同じ東武スカイツリーライン沿線の越谷の高校に通っていたので、東武動物公園駅があることは知っていました。その後、共通の知人を介して出逢ったばかりの妻と一緒に進修館創立40周年を記念して開催されたイベント『第16回甲馬サロン』に参加しました。
沙耶さん
私も設計の参考に進修館には来たことがありました。2人とも図面集を持っているほど進修館が好きです。
移住のきっかけは子育てと働き方の変化
純平さん
墨田区での暮らしもとても気に入っていたので、区内で家を探していましたが、価格が高く人が多いうえ、密度が高い感じがしていました。コロナ禍を経て週の半分くらいがリモートという働き方に代わり、都内にこだわらなくてもいいのかもしれないと思い始めました。
沙耶さん
風太が生まれてから“~しないで”が口癖になっていたことに気づきました。
「そっちいかないで、走らないで…」
動き回るのが好きな子なのに“~しないで”と否定することが心苦しく思うようになりました。小さい公園だとすぐに道路に出たくなってしまい、今よりも心配することが多かったです。風太を連れて宮代に来た時、進修館の四季の丘(芝生広場)で思う存分走り回って遊んでいました。四季の丘は湾曲になっているので、道路に出にくく、広い場所で遊ぶことができます。
『農のあるまちづくり』を掲げていて、里山の風景があり、都心から1時間ほどという距離感も気に入りました。伸び伸びと楽しそうに遊ぶ風太の姿を見て、宮代に住むことに決めました。
3か月で宮代への移住を決断!
純平さん
宮代で土地を探していたら、ちょうどいい広さの土地を見つけました。この先ずっと何十年も住む場所なので、即決せずにせめて半年は大事に寝かせて決めようと夫婦で話していましたが、付き合ってからプロポーズまで3か月というせっかちな性格なので結局土地を見つけてからも3か月で決めてしまいました。
沙耶さん
土地を見つけた後、宮代に移住を考えている人向けに町が開催している『はじめてツアー』に参加しました。宮代に移住することは心の中では決まっていましたが、最後の一押しをしてもらいたかったのが正直なところです。
実はこの時にはじめてツアーを担当してくださった宮代町役場の方と先日偶然にも児童館でお会いしました。子どもたち同士が一緒に遊んでいたのですが、このような再会ができたのも、嬉しかったです。
取材を通して安心感を得た宮代への移住
純平さん
宮代に住むことを決めたきっかけでもある、東武動物公園駅西口の開発についてもっと知りたくなり、現在勤務している『公共R不動産』のWEB記事を執筆するために宮代町役場・東武鉄道・無印良品の方に取材をしました。東武動物公園駅の西口広場がなぜこのような場所になったのか、取材を通して今まで以上に町や人の魅力に気づきました。
西口をぐるっとまわってもチェーン店が少なく、最初は本当にここで生活ができるかな、と思っていましたが、個性のある個人店が多いことを知りました。無印良品や東武ストアは消費的なお店ではなく、挑戦する場としても活用できる『みんなの台所』や『Open MUJI 学び舎』、『みんなの広場』(芝生広場)があることで地域の人が自然と集まる場所になっています。
ちょうどこの頃『ロッコ』ができるという話を聞いたり、ますますこの町を選んで良かったと思えました。
みやしろ森のようちえんが大きな転機に
沙耶さん
もともとは保育園に通っていましたが、そこでは日々淡々と子どもを預けているような感覚があり、少しモヤモヤとしていました。仕事に専念するためにはありがたいですが、子どもの成長にとってよい環境だと思って引っ越してきたのに、このままでは本末転倒ではないか。
人生100年の時代、30年区切りにした時に今はちょうど真ん中の『子育て』に力を入れる時期を大切にしたいと思い直すようになりました。
そんなとき、蛭田農園さんの直売所で、偶然『みやしろ森のようちえん』に通っている親子に会いました。ずっと気にはなっていたものの、野外保育であることやお弁当持参など、ハードルが高いと思い込んでいましたが、実際に通っている親子の話を聞き、公開保育にも参加して入園を決めました。
森のようちえんは子どもたち中心主義で、先生というよりも子育てを一緒にする仲間の集まりのようでした。親も同伴できることもよかったところで、自分の子どもだけでなく、保護者も園児みんなと向き合い成長を楽しんでいる感覚があります。
森のようちえんに通うようになってから子育てに対する充実感を以前よりも得られるようになりました。
気持ちのゆとりが気づかせてくれた本当の「豊かさ」とは
純平さん
子どもを養うためにとにかく仕事第一で頑張ることが当たり前の環境で生活していましたが、家にいる時間が長くなったことで、暮らしの中での優先順位を考えるようになりました。
「平日は仕事、休日は家族、といったような明確な区切りではなく“人生”を軸に考えたとき、幸福度が高くなる働き方や暮らし方のバランスを考えた方がいい」
固執していた考えがほどけ、どれが自分たちの暮らしにとって大切なのかを見極めながら選択できるようになってきました。
沙耶さん
気持ちにゆとりができたことで子どもに対しての接し方も変わり、「〜しないで」と言うことがほとんどなくなりました。公園では1人あたりの面積が広く、適度な距離感があるので心に余裕を持って見守れます。また、公園や児童館でたくさんの人がいると誰か特定の人と話をする雰囲気にはなりませんが、宮代だとたいてい2,3組で遊んでいるので、ちょうどよくみんなで話ができます。
純平さん
以前は「公園行ってきたよ」と話していた沙耶と風太でしたが、宮代に来てからは「○○君っていう子がいてね」と誰と一緒に遊んだのかを話してくれるようになりました。
町で知り合った人がお互いを尊重しながらちょうどいい距離感でいられることも魅力に感じています。
宮代の”広い空”が、気持ちのゆとりを与えてくれているような気がします。
引っ越してきてすぐに町の検討会やイベントに参加
純平さん
東武動物公園駅西口から新しい村までの『わくわくロード』事業の町づくり検討会に参加させてもらうようになりました。色々な人とのつながりができたのは、この検討会に参加したのがきっかけです。引っ越したばかりの自分を受け入れ、議論の輪に自然に交わらせてくれた町の方々の“寛容さ”を感じる、とても大きな出来事でした。
沙耶さん
わくわくロード事業の一環として行われた『わわわ!トウブコ』(2023年3月)というイベントではフライヤーと東武動物公園の飼育員さんが描いた動物や足跡をモチーフにした舗装のグラフィックをデザインしました。まだ引っ越して間もない時期だったのに、新参者で町のイベントに関われたことが嬉しかったです。
これから挑戦してみたいこと
純平さん
2023年7月には、チームみやしろ会議『この人の話が聞きたい!』にゲストスピーカーとして参加し、宮代に住むことを決めた理由や住んでみて感じたことなどを発表しました。発表の最後には今後挑戦してみたい3つのことについて話しました。
1つ目は三輪自転車で町中をぐるぐる周りたいです。
公園などで紙芝居をしたり、焼き菓子やコーヒーなどを販売して、公共空間を点々としながら出没するお兄さんがいるなーという風景をつくりたいです。
沙耶さん
2つ目は『私設図書館』をつくりたいです。学校や学童、公園のような賑やかな場所だけでなく、『ここにいてもいいよ』という隠れ家のような居場所。子どもたちには色々な選択肢があって、大人がそれを許容してあげるような場づくりに挑戦してみたいです。
純平さん・沙耶さん
3つ目は宮代愛が強いので、全く宮代を知らない人に向けたツアーをやってみたいです。宮代に魅力を感じてくれたらやっぱりこの町はいいところだな、と私たち自身も嬉しくなります。
宮代は
“おおらかな暮らしを教えてくれた町”
【編集後記】 宮代の建築、雰囲気、環境など色々なことを鑑みて引っ越してきた菊地さんご家族。長く住んでいると日常のことで気づくことのない宮代町の魅力について教えてもらった気がします。 【関連リンク】
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