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“住む”に関する特集

今回の“住む”に関する特集は、ちょっと目線を変えて後継者問題を抱える「農」についてご紹介します。

農のある町の後継者問題

 

宮代町の「農」のあるまちづくりをご存じですか?

「農」の資源を市民全体で維持、発展させるとともに、宮代町の地域資源としてとらえ、環境、福祉、教育、産業など、様々なまちづくりに生かしていこうというのが、「農」のあるまちづくりの基本的な考え方です。(「電脳みやしろ」より)

宮代町を見回すと、屋敷林が点在し、田んぼや畑、果樹園が広がるのどかな風景が昔ながらに続いています。「農」のあるまちづくりが根底にある事で、この風景が守られている気がします。

しかし、そんな風景の一つである果樹園では、後継者不足による問題を抱えている所が少なくないようです。今月は、そんな問題をかかえるブドウ農家さんと若い世代に引き継がれた梨園さんをご紹介します。

 

高齢化の進むブドウ農家

まずは、宮代町の代表的な特産品である巨峰の農家さんです。

現在、宮代町の巨峰組合は須賀支部と西粂原支部の2支部と、県の巨峰組合に加盟している和戸支部があります。その中の須賀支部の「新宅屋ぶどう園」の中村さんにお話をうかがいしました。

 

宮代町の巨峰農家は高齢化が進み、後継者のいない農家が多いとうかがいましたが、実際の所はいかがなんでしょうか? また、どうして皆さん後を継がないのですか?

そうだね。私は63歳だけど、若手と言われているね。80代の方も多いし、90歳でも毎日元気にやっている方もいますよ。みんな自分の代で終わりだと言っていますね。

やっぱり仕事が大変なわりに、それだけの収入が得られないから採算が合わないんだろうね。

 

宮代の巨峰は有名でブランド力もあると思うのですが、採算が合わないですか?

ブドウの木は、植えてから2年で採れるのは2房位。そのあと3年位から採れ始めるけれど、10年位までは木を育てるためにあまり多くの実をつけさせないようにするんだよ。

その間も肥料や設備などの経費もかかるし、水やりや剪定などの手間もかかる。そこが大変なんだよね。

10年20年先を見据えて、計画的に植えていかないと順繰りに採れないんだよ。

 

育てるだけの期間で、そんなに長い年月がかかるんですね。
消費者側の立場からすると、木を育てるまでの期間がどれ位かかるものなのか?などと言う事は考えたこともありませんでした。
お話を伺って改めて考えてみると、木が育つ間にも新しい品種も出れば、お客様の好みも変わりますものね。先を見越して計画的に植えるのも大変そうです。

 

ところで巨峰って「巨峰」っていう種類のブドウなのですか?

巨峰にも種類があって、粒の大きさや甘味に差があるんだよ。
うちでは、お客さんの好みに合わせて提供できるように、何種類ものブドウを植えてるよ。
毎年ブドウの苗の冊子が送られてくるから、それで勉強しているよ。視察にいって育て方を見たり、即売会の方法を勉強したりもしているんだよ。

でも、80代や90代の人になると、もう新しいものは植えていかないね。10年先ではどうなっているかわからないからね。

 

なんだか宮代町の巨峰がなくなってしまいそうで心配になりますね。

このままではそうかもしれないね。

ブドウ作りは好きじゃないとできないからね。

剪定の仕方一つで、実の大きさや甘さまで変わってくる。だから面白いのだけれど、学ばなくてはならないことがたくさんあるからね。私だって、毎年勉強だよ。

 

右の写真のように、この木が実をいくつつけたか、それによってどんな出来だったかを控えているそうです。木の具合とその年の天候によっても違う。とっても奥が深いものでした。

中村さんは今、新しい種類の木を植えているそうです。実(写真の緑色の実)が長細いのは「まだ新しい木でできた実」と言う事なんですって。

「緑」と「赤」と「巨峰の紫」の3色を詰めて売りたいとおしゃっていましたが・・・味も香りも色も違う3種類が食べ比べられるなんて素敵ですね。楽しみ(#^.^#)

 

最後に、「後継者不足」をどうすればいいかお聞きしたいのですが・・・。

難しいね。今は後継者のいる人でも、子供をよそへ修業に行かせているくらい、やはり厳しいものだからね。好きじゃないと出来ないし、好きなだけでもできない。

どうしたらいいのだろうね。

 

取材中、中村さんは一つ一つの袋から大切そうにブドウを出して見せてくださいました。その姿からブドウに対する愛情をとても感じました。
一粒一粒をはかりに載せて重さをはかり、糖度をはかり、自信をもって売りに出す。「おいしいものを売らなければお客さんは来年も買ってはくれないからね。」とおっしゃっていました。

大切な町の特産品「宮代町の巨峰」をなくさない為には、今から10年先を考えて手を打っていかなくてはならないのだと思いました。

今まで、直売所でおいしいブドウを購入するのが普通だと思っていましたが、そのありがたみを改めて感じました。皆さんも宮代ブランドのおいしい巨峰を是非食べてみてください。

宮代ブランドの巨峰は、直売所はもちろん、「新しい村」でも即売されます。

 

 

若い世代が引き継いだ宮代町の梨園

もう1件ご紹介するのは、若い世代が後継者として頑張っている、宮代町中「小島清梨園」さんです。

もともとご両親がやっていた梨園ですが、結婚して町外に住んでいた娘さん家族が7年前に宮代町に戻ってきたのを機にお父様から梨園を引き継いだそうです。いわばUターン後継者です。現在では、お父様が田んぼを、娘の久美子さんが梨園を担当しています。

そんな久美子さんに色々お話をお聞きしました。

 

家族構成は? また、宮代町に来て何年ですか?

サラリーマンの夫、中学生と小学生の子供が2人、(久美子さんの)両親です。生まれも育ちも宮代町です。結婚をして町外に住んでいたのですが、7年ほど前に子供が小学校にあがったのをきっかけに宮代町に戻ってきました。

 

最初から梨園を継ぐつもりで帰ってきたのですか?

結婚当初からいずれ宮代町に戻ってくるつもりではいましたが、最初から梨園を継ぐと決めていたわけではありません。梨を育てる世界は男社会と言う事もあり、正直2年位迷っていました。

そんな時に、JA主催の「ナシ農家海外視察」に母の代わりに参加したり、周辺地区の後継者の会に参加した事がきっかけとなり、全くの素人だった私が勉強会に参加する事で頑張ってみようと思いました。

 

学童のパートもされているそうですが、梨園に子育てなど大変そうですね。お子さんが小さい頃は育児との両立に苦労したのではないですか?

母がそばにいてサポートしてくれたので子供が小さい時はそれほど大変ではなかったです。でも、下の子が小学校にあがった頃は、学校の勉強を見てあげたりしなくてはいけないのに、あまり時間が取れないなど、会話の時間を作るのに苦労した時期もありました。

特に今の時期(収穫の時期)などは、早い時には5時位から収穫を始めて、7時には終えます。その後、家の事を済ませて、8時位から荷造り作業や直売所などを始めます。午後には学童にパートに出ています。夜には翌日用の商品を市場へ持って行く時もあります。1年を通しても時間に余裕が出来る時期は11月頃だけでしょうか?

 

なんて大変なんでしょう!
ご両親が同じ敷地内にいらっしゃると言う事で、忙しい時期にはお母様が、男手が必要な時にはお父様がサポートをしてくださるそうですが、基本的には久美子さんが一人で梨園を切り盛りしていることにびっくりです。

 

はじめは全くの素人だったと言う事ですが、梨についてはどこで勉強したのですか?

菖蒲・白岡・久喜「梨研究会」に参加して勉強しました。月に1・2回の集まりで甘い梨を育てるための技術を学ぶ事が出来ます。メンバーは20歳代〜40歳代で、家がもともと梨農園と言う人もいれば、全然そうではない脱サラ組もいるんですよ。

数年前の大雪の際に梨棚が雪の重みで壊れてしまった時には、仲間が応急処置を手伝ってくれたり、業者を紹介してくれたりしました。あの時にみんなに応援してもらっていなかったら、梨作りをやめてしまっていたと思います。

 

同業者の繋がりってとても大切なんですね。ちなみに宮代町に梨農家は10軒あるそうです。久美子さんのまわりでも後継者がいないと言う問題をかかえている農園もあるそうで、果樹園の後継者問題は深刻なのでしょうか?

 

最近は農業の後継者不足について耳にしますが、どう思いますか?

新しく農業を始める人のためのサポートをしている自治体はありますが、田んぼや畑などが中心で果樹園についてはあまりないんです。果樹園は設備投資を必要とするので、そう言う面も含めて自治体のサポートがもっとあればいいのにと思っています。

梨で言えば、梨棚を作るのに1反200万円位かかります。ブドウ棚を作るよりも費用がかかってしまうんです。また苗木を植えてから3年以内は収穫が出来ず、本格的に収穫が出来るのは6・7年たってからです。それからは4・50年収穫できますが、はじめたばかりの頃がどうしても大変です。

もし、家の梨園を継ぎたいけど迷っている。脱サラして梨園を始めたい。と言う方がいたら、是非、「梨研究会」などに顔を出して欲しいです。私がそうしてもらったように、今度は色々なアドバイスが出来ると思います。

 

せっかくなので小島清梨園さんの梨のPRをお願いします。

うちで扱っている品種は、
幸水(こうすい)、彩玉(さいぎょく)、豊水(ほうすい)、あきづき、新興(しんこう)です。
お盆の時期が最盛期の人気の「幸水」は8月25日位までの出荷です。一番最後の「新興」は10月の中旬位までとなります。

正直なお話、うちの梨はちょっとお値段がお高いと思います。その分甘みや大きさにこだわって作っています。一度食べてみていただければわかっていただけると思いますので、是非、お試し下さい。

 

久美子さんの作った梨は、「みやしろ産業祭」の第13回農産物品評会で、果実類部門「梨」で埼玉県知事賞を受賞しました。ご本人もとってもこだわりを持っていて、天候の関係で少し水分が不足している出来(歯ごたえが違うそうです)だった時は、直売所での販売はしなかったそうです。大きさ、甘みにもとっても自信を持っていらっしゃいました。

そんな小島清梨園さんの梨をいただくには、敷地内にある直売所のみとなります。(春日部の市場にも出荷しています)

「彩玉」は、大きくて甘みが強く、埼玉県で育成した品種だそうです。今の所一般のスーパーには出回らないらしいので、彩玉を食してみたいと言う方はやはり直売所へ行ってみてください。

 

ちなみに、久美子さんが一番好きな品種は?と聞いてみた所・・・

 

「彩玉」や「あきづき」はとっても甘くて美味しいのですが、甘みが強いため余計に水が欲しくなってしまうかも。私はやっぱり「幸水」が好きです!

 

とのこと。また、食べごろについては。

 

梨は保存がきくと思われがちですが、実際はそう長くはありません。うちの梨は「完熟の梨」を朝もぎで収穫しているので、美味しく召し上がっていただく為にも、収穫(発送日)から5日以内に食べていただきたいです。

長い時間冷蔵庫に入れておくと甘みが減ってしまうので、食べる1・2時間前に冷蔵庫で冷やすとより美味しく召し上がれます。

 

久美子さんの育てた梨、是非、食べてみて下さいね。

 


 

農産業の後継者不足の問題は、高齢化が進む中、どの自治体でも対応に色々な策を高じていると思います。このコーナーの第1回に登場した「サラリーマンから転身農地を借りて宮代町で農業人へ!」の蛭田さんも、「農」のある町“宮代町”の『ルーキー農業塾』をきっかけに宮代町に引っ越していらっしゃいました。

平成24年度の募集は終了しましたが「宮代町農業担い手塾」も毎年塾生を募集しています。

現在は、宮代町在住ではないけれども、宮代町の農業に興味がある!と言う方、是非、一度、役場担当部署(農業振興担当)へ問い合わせてみて下さい。

 


 

■ 宮代町 農業振興担当 電話:0480-34-1111(代表)

■ 宮代町ではファミリーの定住を歓迎しています。

>> 詳しくは、「町からの記念品」のページをご確認下さい。

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